「No Big Deal Records pre. Young Groove Tour 2024」4バンドのフロントマンによるスペシャル座談会

No Big Deal Recordsに所属する注目の若手アーティストたちが全国のライブハウスをサーキットする『Young Groove Tour 2024』が、2月22日の名古屋・Live House R.A.D公演から幕を開ける。本ツアーは、全公演がORCALAND、ジ・エンプティ、 鉄風東京、Bye-Bye-Handの方程式による4マンライブ。文字通り若さがたぎるグルーヴが、日本列島を横断しながら熱を高めていくことだろう。4バンドのフロントマンを招いたリモート座談会を実施し、ツアーメイトへの印象や意気込みについて語ってもらった。

ーー2022年10月から11月にかけて開催された『Young Groove Tour 2022』以来、約1年4か月ぶりのレーベルツアー開催となります。Bye-Bye-Handの方程式、ORCALAND、鉄風東京の3組は、前回のツアーにも参加していましたよね。

汐田 泰輝(Bye-Bye-Handの方程式) 2022年は全7組で各地オムニバス形式だったので、公演ごとに出演バンドの組み合わせが違ったんですよね。前回ももちろん楽しいツアーでしたけど、今回は4組で全箇所回れるのが嬉しいです。それぞれの今まで見れなかった一面に触れたり、同じ手札で勝負できない故のヒリヒリ感が味わえるんじゃないかと。

大黒 崚吾(鉄風東京) 当時はレーベルで僕らが一番新入りだったということもあって、学ぶ姿勢でもあったんですけど、今回は新たにジ・エンプティも加わったし、また違ったワクワクを感じてます。

大塚 祥輝(ORCALAND) 前回のツアーでは、僕らが出てない回でめちゃくちゃ楽しい「奇跡的な打ち上げ」があったらしくて、参加できなかったのが悔しかったんですよ(笑)。今回は4か所みっちりなので、雪だるま式にライブも打ち上げも盛り上がっていければいいなと思ってます。

ーー打ち上げと言えば、大黒さんは前回のツアー前の座談会で「No Big Deal Recordsのスタッフが一緒に潰れてくれた」というエピソードを披露していましたね。

大黒 いつもバンドよりスタッフの方がはしゃいでますからね(笑)

汐田 こないだも忘年会のビンゴ大会で、スタッフが良い景品は全部持っていってて(笑)。自分らでお金出して自分らで持って帰ってる、ただのプレゼント交換会やった。

大黒 僕はたわしが当たりました。

汐田 フレンドパークや(笑)

ーージ・エンプティは昨年末からNo Big Deal Recordsに仲間入りしたばかりですが、レーベルに対しては今のところどのような印象を抱いていますか?

ハルモト ヒナ(ジ・エンプティ) 以前からBye-Bye-Handの方程式と対バンしていたこともあって、No Big Deal Recordsのことは知っていました。「絶対ここに入ったら楽しくなるだろうな」と思ってましたし、今もイメージ通り楽しくやらせてもらってますね。僕らが加わったからには、これからもっともっとかき回してやろうと思ってます。

ーー様々なカラーを持ったバンドが集うNo Big Deal Recordsですが、今回の4組にはどのような共通点があると思いますか?

汐田 まず、今回の4組の組み合わせでようやく本当に『Young』になったなと(笑)。あとは、どのバンドも自分のホームを背負う姿勢を感じますね。バイハンやったら大阪・豊中、鉄風東京は宮城・仙台、ジ・エンプティやったら福岡・久留米……ORCALANDは下北でちょっとシティボーイを気取ってるんですけど(笑)。みんなそれぞれの地元にプライドを持ってますよね。

大黒 どのバンドも、怒りや苛立ちを音楽にぶつけるんじゃなくて、前向きに切磋琢磨してる感じがします。水面下では争ってるけど、殺気立ってるていうよりは「誰が一番楽しめたか?」を競ってるっていうか。その温かいイメージは全バンドに共通してるかなと。

大塚 共通点……ライブに対するハングリーさですかね。毎回、大爆発を起こすぞ!っていう気持ちを感じさせるというか。一本一本のライブにかける思いのハングリーさでは負けない4組だと思います。

ヒナ まだみなさんと対バン回数も多くないからこそ、外から見た目線で感じる共通点として、フロアの温かさを感じてます。それが僕らのハングリーさやプライドに繋がっていると思いますね。

ーーここからは、他の3組から見たそれぞれのバンドに対する印象を伺いたいと思います。まず、一番先輩にあたるBye-Bye-Handの方程式については、みなさんどのような印象を抱いていますか?

大塚 肩で風を切って歩いている印象ですよね。「オイオイ!」って感じで(笑)。4人とも、とにかくめちゃくちゃおもろい連中です。

ヒナ バイハンとは僕らがNo Big Dealに所属する前からずっと可愛がってもらってて、対バンとか関係なくライブにお邪魔させていただいて、打ち上げにも参加させてもらったりしてました。メンバーがお金ない時には奢っていただいたり、本当にお世話になってます!

大黒 僕は土地ごとのバンドの戦い方に注目しがちなんですけど、なんとなく関西のバンドって、言葉を場合によって柔軟に使い分けるイメージがあって。でも、バイハンは言ったことを簡単に曲げない。それに加えて、バンドとしても面白いことを常に探しているので、リスペクトしてます。

ーーでは続いて、鉄風東京に対する印象を。

汐田 鉄風東京と初めて対バンした時、彼らのライブ中に機材トラブルが起きて、ギターの音が出なくなってたんですよ。そういう状況って、ある意味では最もバンドの実力が試されるタイミングだと思うんですけど、大黒は堂々と自信満々でステージに立ってて。この若さでそれが出来るのは末恐ろしいなと。それ以来僕の中では、大黒はこの世に10人もいない本当に信頼できるフロントマンの一人ですね。

大塚 僕からは、ひとことで言うと「ギャップ萌え」ですね。ライブのスタイルとかは結構攻撃的なんですけど、いざ話してみるとすげえ物腰が柔らかくて。あと大黒がタバコをバカスカ吸う(笑)。

ヒナ この間、普段ライブハウスに通ってるタイプではない僕の友達が、「最近鉄風東京にハマってる」って話してて驚いたんですよ。凄い浸透具合だなって。

ーーORCALANDについてはいかがでしょう?

大黒 自分のポップさに自信を持ってるところが凄いですよね。例えばハードコアなバンドをやってたりしたら、「俺たちはこうだ!」って叩きつけるのは難しくないと思うんですけど。ORCALANDは誰も傷つけず、全員を抱きしめる気持ちで、強い信念を持ってる。

汐田 ORCALANDは優しすぎる。俺たちメンバーの雑イジりを許容するラインが広すぎて、ちょっと引くぐらい(笑)。それと、この間公開されたライブ映像がカッコよすぎて。本当にカッコいいものを見た時って笑いが出てくるものやと思うんですけど、本当にお笑いの動画かと思うくらい笑いが止まらなかったです。生で観てカッコいいバンドはいっぱいおるけど、生と映像のギャップが良い意味でここまで少ない人はあんまおらんと思う。それはやっぱり技術が伴ってるからですよね。

ヒナ 僕がORCALANDを初めて見た時、(大塚)祥輝くんの喉の調子が悪くて、ボーカルなしでライブをやってたんですよ。そんなライブ聞いたことないし、どうなるんだろう?と思ってたんですけど、もうバンドのグルーヴが凄くて、全然成り立っちゃってて驚きました。あと、昨日たまたまサウナで祥輝くんと会ってお互い裸も見たので(笑)、これからもっと仲良くなれればと思います。

大塚 脱衣所で、「わ、ORCALANDや!」っていきなり言われて(笑)。もう弱いところ全部見られてる。

ーーでは最後に、末っ子のジ・エンプティについて。

大塚 初対バンの日に俺の声が出なくて急遽ボーカル不在のライブをすることになったり、座談会前日に名古屋の銭湯でたまたま出会ったりと、とにかく奇跡をもたらしてくれる存在ですね(笑)。このツアーでも何か奇跡が起きるんじゃないかと思ってます!

大黒 鉄風東京とは対バンもあんまりしたことがなくて、まだそこまで深い関係性になれていないんですけど……ツアーで福岡に行ったときに、ジ・エンプティのメンバーとサウナに行った気がするんですよね。凄い楽しかったんですけど、その時オールでスポッチャした後だったので、満身創痍であまり覚えてなくて(笑)。今回改めて仲良くなれたらと思います。

汐田 ジ・エンプティは、ベスト・可愛い後輩・オブ・ザ・イヤーをトップ・オブ・トップで受賞してますね。僕だけじゃなくて、エンプティと関わった人はみんなそう言うと思う。

それで勝ち取ってるステージとか誘われてるイベントもいっぱいあるやろうし、バンドって音楽だけじゃなくて人柄なんやなって思わされますね。今回のツアー4公演の間でもどんどん進化していくやろうし、一番伸びしろだらけの時期に立ち会えて嬉しいです。少年漫画の主人公みたいなバンドですね。

ヒナ 本当にバカばっかの4人なんですけど、ありがとうございます(笑)!

ーーそれでは最後に、一組ずつツアーに向けての意気込みをお願いします!

ヒナ 僕らは初参加なので、いい意味でツアーをかき乱せるように、一本一本勝負していきたいと思います!

大塚 前回の座談会で(汐田)泰輝が「僕らにとっての一番大きい内輪ノリができたら」と語ってたと思うんですけど、今回もバンドとお客さんが混ざり合って、『Young Groove Tour』ならではの内輪ノリを見出したいですね。それと、ツアー直前の2月14日に2ndミニアルバム『HERO’S HIGH』をリリースするので、ORCALANDの未知の姿を見せつつ、3月からのリリースツアーに向けて何かを掴めたらいいなと。

大黒 今回は4組でガッツリ回るツアーなので、より濃い時間になる気がしてます。鉄風東京としては体制変更や新曲リリースの直後になるので、さらに進化した新しい姿を披露したいです。今回は仙台公演が無いんですけど、良いライブをして、次回以降仙台を加えたもっと大きな規模で回れるようにしたいですね。

汐田 誰が見たって「Young Groove史上最高のツアーやな」って言われるようなツアーにしたいですね。それが実現できる4組やと思ってます。

文:サイトウマサヒロ

<ツアー情報>
No Big Deal Records pre. Young Groove Tour 2024

出演: ORCALAND / ジ・エンプティ / 鉄風東京 / Bye-Bye-Handの方程式

2024.2.22 (木) Live House R.A.D
2024.2.23 (金) 心斎橋LIVE HOUSE BRONZE
2024.2.25 (日) 福岡LIVE HOUSE Queblick
2024.2.27 (火) 下北沢SHELTER

チケット一般発売中
前売:¥3,000 (税込/ドリンク代別途必要)
https://w.pia.jp/t/nbd-tour-yg2024/

<プロフィール>
ORCALAND
東京下北沢で結成の4人組バンド。
耳に残る歌詞と一度見たら忘れられない情熱的なライブパフォーマンスを武器に知名度を上げている。
特に下北沢で行われるサーキットイベントでは毎回入場規制になる等、今下北沢で最も注目されているバンドの筆頭。
ORCALANDが放つ真っすぐなメッセージは、「明日への希望」を与えてくれるだろう。
https://orcaland.jp/

ジ・エンプティ
福岡県久留米発、22歳の4人組青春ロックバンド。
2019年に中学の友達同士で結成し、福岡県久留米市を拠点に精力的に活動を行っている。
ありのままを綴ったまっすぐな歌詞と、圧倒的なライブパフォーマンスで未来を明るく照らし出してくれる。
若者たちの心を掴む、新世代の青春応援歌。
https://the-empty.com/

鉄風東京
仙台を拠点に活動する、平均年齢 19 歳の 4 ピースオルタナティブロックバンド。2018年11月に結成、2020 年には RO JACK2020 入賞、高校三年生で公開した「外灯とアパート」のMVは50万回再生を突破。結成から現在に至るまで、ライブを大事にするスタイルで活動している。
https://tepputokyo.jp/

Bye-Bye-Handの方程式
2015年地元・大阪の中学の同級生で結成した4人組ロックバンド。
2021年より現在のメンバーで活動中
2020年度No Big Deal Records Auditionでグランプリを獲得。
様々なジャンル・年代の音楽をロックに落とし込み、
正直に「今」鳴らしたい音楽と新しい格好良さを追求する。
Vo.汐田 泰輝(うしおだたいき)の放つ熱くもあり温かいMCで多くの人間の心を掴み
時にはストレートなロック、時には世界観纏う曲で独自の二面性を軸に関西を拠点に精力的に活動中。
https://byebyehand.com/